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免税事業者と課税事業者と棚卸資産

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個人事業主となってサービス業を行うと経費が無い分売上は1000万を超えるまでは長い道のりかもしれません。

ただ、物販を行った場合はすぐに売上が1000万円を超えてしまいます。
課税事業者になり、消費税の申告が必要になります。

消費税の申告はただでさえそれなりに複雑な計算を行います。
それが免税事業者から課税事業者に変わると、更にややこしくなります。
税務署の計算用の書類にもその辺の記載がありませんでした。
※税務署によるかもしれませんし、私の見落としかもしれません。

免税事業者から課税事業者に変わった場合に注意すべきものがあります。
これは逆に免税事業者から課税事業者に変わった場合も同様に注意が必要になります。

  • それは棚卸資産です!

という事で、免税事業者と課税事業者と棚卸資産について解説します!

  • 免税事業者と課税事業者と棚卸資産について解説します!

お役に立てば幸いです!

免税事業者と課税事業者と棚卸資産

まずこれらの話をする前に消費税の根本的な考え方というものは知っておかなければなりません。

2000円の仕入れをし、3000円で売る事を考えてみます。

まずは基本となる、消費税の話から始めます。
その後、免税事業者のまま、課税事業者のままのケースを考えます。
続いてに免税事業者から課税事業者、課税事業者から免税事業者に変わるケースを考えます。
最後にイレギュラーな免税事業者から課税事業者に変わり、免税事業者に再度戻るというケースを考えてみましょう。

消費税の話

消費税は最終的にその商品がいくらになったのかが重要です。
今回で言うと2000円の商品が3000円になっています。
3000円分の消費税がトータルで納められることになります。
つまり消費税率8%であれば、240円が消費税として納められることになります。

  • 消費税は課税事業者が販売した最終的な価格が納税額になります。

免税事業者のまま

免税事業者の場合は消費税を徴収されません。
2000円の仕入れは2160円になりますが、3000円で販売した後消費税を納める必要はありません。
消費税の基本である240に満たない160円分が納められることになります。
免税事業者の利益1000円分の消費税80円は免税になるわけですね。

  • 免税事業者の利益には消費税は掛かりません。

課税事業者のまま

課税事業者の場合は消費税を徴収されます。
2000円の仕入れが2160円であることに変わりはありません。
3000円で販売するとき3240円で販売し、消費税240円を消費者に変わって納める必要があります。
しかし既に160円の消費税を仕入れ時に納めていますね。
そのため本来納めるべき消費税は残りの80円になります。
販売した3000円から仕入れの2000円を引き、1000円分の消費税の80円を納めます。
トータルで240円納められることになります。

  • 課税事業者の利益には消費税が掛かります。

免税事業者が課税事業者になった

2000円の仕入れが2160円であることに変わりはありません。
年度が替わって課税事業者に変わった場合、既に仕入れ分の経費は前年度の免税事業者で計上しています。
一方で3000円で販売するとき3240円で販売し、消費税240円を消費者に変わって納める必要があります。

しかし既に160円の消費税を仕入れ時に納めていますね。
トータルで400円の消費税を納める事になってしまいます。

問題は免税事業者が課税事業者に変わったときの棚卸資産です。
これが課税事業者の経費として計算しないと、消費税が差額分の80円になりません。
※実際に経費にするわけではありません。

消費税の計算時には売上3000円から棚卸資産の2000円を引いた1000円分に消費税を課税します。
そのため納めるべき消費税は80円になります。
トータルで240円納められることになります。

  • 課税事業者になった後の最初の決算で、免税事業者の棚卸資産を経費と見なして消費税を計算します。

課税事業者が免税事業者になった

2000円の仕入れが2160円であることに変わりはありません。
年度が替わって免税事業者に変わった場合、既に仕入れ分の経費は前年度の課税事業者で計上しています。

3000円で販売するとき、消費税消費者に変わって納める必要がありません。
棚卸在庫の扱いが課税から免税で変わるのはおかしいですよね。

これは課税事業者の年度で処理が行われるんですね。

仕入れは昨年度に課税事業者で行っています。
売上が0で経費が2000円であれば、赤字2000円分の消費税が還付されるはずです。
棚卸資産を考えないとこのような計算になってしまいます。
結果2000円で仕入れていた商品の160円分の消費税は納められていないことになってしまいます。
免税事業者になってからは消費税を納めないので、計算が合わなくなってしまいますね。

そこで課税事業者の年度で棚卸資産を売上げと見なします。
※これも実際に売り上げになるわけではないです。
消費税の計算を行う際に、棚卸資産の2000円を売上げと見なすと経費2000円で差し引き0です。
消費税の還付はありません。
つまり仕入れ時に支払っている160円が納められていることになります。

  • 免税事業者になる前の最後の課税事業者の決算で、課税事業者の棚卸資産を売上と見なして消費税を計算します。

免税事業者が課税事業者になり免税事業者になった

2000円の仕入れが2160円であることに変わりはありません。

この状態で売れないまま課税事業者になり、決算を迎えたとします。

この場合は棚卸資産を経費と見なして消費税を計算しましたね。

  • 課税事業者になった後の最初の決算で、免税事業者の棚卸資産を経費と見なして消費税を計算します。

課税事業者の年度の消費税は売上0円で棚卸2000円を経費にしますので赤字2000円の160円が還付されます。
ここまでで納められている消費税は0円です。

その売れないまま免税事業者になり、決算を迎えたとします。

この場合は棚卸資産を売上と見なして消費税を計算しましたね。

  • 免税事業者になる前の最後の課税事業者の決算で、課税事業者の棚卸資産を売上と見なして消費税を計算します。

課税事業者の年度の消費税は売上は実質0円ですが棚卸2000円を売上にしますので黒字2000円の160円を納税します。
ここまでで納められている消費税は160円です。

その後ようやく売れたときは免税事業者ですから消費税を納める必要はありません。

この場合、消費税は還付されてもまた納税する事になります。
別に得になる事は何もありません。

販売して利益になった分に消費税が掛かるのが課税事業者です。
販売して利益になった分に消費税が掛からないのが免税事業者です。
それだけです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

基本的な仕組みさえ押さえれば、それほど複雑ではないはずです。
簡単な例で取り上げているからなのもありますけどね。

今回のケースであれば、棚卸資産を課税事業者と免税事業者の間で売上に見立ててやり取りさせることで解決できます。
取引は何千にも何万にも何億になってもこのルールさえ押さえれば、後は量だけの問題です。

  • 免税事業者の利益には消費税は掛からず、課税事業者の利益には消費税が掛かります。
  • 棚卸資産を免税事業者と課税事業者の間で経費や売上に見なして消費税を正しく計算しましょう。
  • 課税事業者になった後の最初の決算で、免税事業者の棚卸資産を経費と見なして消費税を計算します。
  • 免税事業者になる前の最後の課税事業者の決算で、課税事業者の棚卸資産を売上と見なして消費税を計算します。

私は会計ソフトにfreeeを使っているので数の問題には全く困りません。
ただ、こういったどうやって正しい計算にするのかは会計ソフトを眺めていてもわからないところですよね。

税務署に行けば教えてもらえると思います。
もしくは会計ソフトのチャットの質問機能などですね。
良ければこちらの記事もどうぞ!
今回の話のもととなっている消費税の悩みをfreeeに解決してもらった話になります。

ここまでお読みくださりありがとうございました!